「地車中毒症候群」のあなたに・・・・
まあ~いど、だん馬鹿です。
ここ二・三日、うっとうしい空模様が続いていますが、ユーザーの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
一雨、一雨、春が近づいているんでしょうか・・・・?
春ともなれば、ぼちぼち工務店で修理中の地車も町内へ戻り、入魂式がおこなわれ始めます。祭礼以外にだんじりを見れる絶好の機会とあって、近年、多くのだんじりファンが詰めかけています。と言う私も、その中の一人なのですが・・・・。
このオフシーズン、だんじりを見れないがために禁断症状に悩まされている方も多いのでは・・・・? 新聞や雑誌などで、「だ」や「地」の文字を見ただけで、「おっ、だんじりか・・・・?」という方は、少々重症ですねぇ~。私は、もうとっくの昔にその症状から抜け出しましたが・・・・・。
さて、そんな「地車中毒症候群」の方にお奨めなのが、錦絵や浮世絵、和本の鑑賞なのです。だんじりを曳くのや曳行を見るのが好きなだけの人には、「地車とどう関係あるねん?」と言われるかもしれませんが、彫物好きな方ならお解りいただけるはず・・・・。
地車の彫物は、彫物師さん達によって製作されているのですが、その題材も多種多様。勇壮な合戦物もあれば、退治物、獣花物に仙人なども・・・・。それぞれには下絵が存在するのですが、彫物師さんも何かを参考に下絵を描くわけで、その元となるのが江戸時代から明治時代に出版された錦絵や浮世絵、戦記物や絵手本などの絵本なのです。

しかし彫物師さんとて、高価な錦絵や絵本を多く持っている訳でもないのです。浮世絵などの専門書や寺社彫刻などの写真集。図書館で取ってきた戦記物のコピーに、美術館や博物館で催された浮世絵展の図録など・・・・。それらを元にアレンジにアレンジを重ね、下絵を描き、彫物を彫っていく訳です。
逆に、それらの発刊物は地車彫刻ファンにとっても彫物図柄を知る上での、かっこうの資料でもあるのです。我々、地車彫刻ファンとて高価な本物にはなかなか手が届きません。

では、一番の早道は何なのか・・・・? それは、図書館に行ってみることです。特に浮世絵などの美術専門書や古い絵本が所蔵されている図書館が狙い目! 美術専門書などには、参考文献や出典が書かれていたりもします。そこに書かれた「絵本○○記」、「××合戦図会」などを参考に、古い絵本を閲覧してみることです。ストーリーまでは解らずとも、どのような図柄なのかは読み取れるはずです。
また、美術館や博物館で催された浮世絵展の図録などは、一枚数万円する錦絵を数千円で数多く見れる一番手っ取り早い方法。図録の中には源平合戦をまとめたものや武将ひとりにスポットを当てたものなどもあり、場面の説明や物語を把握する上でも非常に有用です。
武者絵典の図録があるとわかれば、発行元へまず電話! 数年経っていても在庫が残っていたりしますよぉ~。

だんじりを見に行くのはいいけれど、「図書館はちょっと」言う方にお奨めなのがインターネット。最近では、図書館や地方自治体などが所蔵していた錦絵や絵本を画像データにしてウェブ上で公開しているようになってきました。彫物の図柄を探し当てるには、少々難しい所もありますが、こまめにチェックしておくのも一つの方法では・・・・?
そんなこんなで、暇をもてあましている「地車中毒症候群」のあなた!、地車彫刻研究という泥沼のような世界へ足を踏み入れてみませんか・・・・!
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