長かった冬の終わりに…《後編》

今年最初の入魂式リポート、その後編と参りましょう。
3月4日(日)に行われた、西淀川区は野里西之町と、尼崎市は丸嶋の入魂式の模様をお届けしてましたね。
丸嶋のだんじりがお披露目曳行に出たところまでをお伝えしていたので、その続きから。

野里西之町では、だんじりが神社に戻って来た時に各町からの出迎えを受けていましたが、丸嶋の場合はここからドラマが待ち受けていました。
まずは地区の東の端へとやって来た丸嶋のだんじり。
小嶋のだんじりがお出迎えです。

双方向かい合わせての手打ち。
まるでこのまま『山合わせ』でも始まってしまうかのような・・・て、そんな雰囲気ではございません。
この小嶋でしばしの休憩を終えた丸嶋のだんじりは向きを変え、城下町の名残を残す堀川を渡ってまた地区の中央へと戻って行きます。

次に目指す場所は・・・
ご存知の方もおられましょう、ここ築地地区では、先ほどの小嶋を除くすべてのだんじり小屋が、1ヶ所に固まっている事を。

そう、次にやって来たのは地区の西の端。
ここには、本日お披露目曳行中の丸嶋、そして隣接する貴布祢地区の東櫻木を含む、7台のだんじり小屋が、ズラリと並んでおるのです。

7台の小屋が一同に並んでいる場所と言えば、神戸市東灘区の本住吉神社の境内もそうですが、台数だけなら、枚方市の日置天神社の境内には8台分の小屋が並んでましたね。
複数のだんじりをいっぺんに見れる場所があるとしては、ちょっとした『名所』と言えるかも知れません。

この日は現在曳行中の丸嶋を除く6台すべてが小屋を開け、飾り物をつけた状態でお出迎え。
入り乱れる鳴物に、テンションを掻き立てられます。
丸嶋のだんじりは1台ずつ手打ちを交わしながら、それぞれのだんじりの前を通過していました。

さて、丸嶋のお披露目曳行で最大の見どころをキャッチ出来たところで、時間はお昼過ぎ。
だんじりもお昼の休憩に入ったので、ワタクシは西淀川区へと戻りました。

野里西之町の方は午前中に神事と式典を終えまして、ちょうど午後1時からのお披露目曳行出発に間に合いました。
いわゆる『宮出し』から見学です。

そのまま丸嶋を最後まで見てから戻っても、野里西之町のお披露目曳行は後半に間に合うのですが、やっぱり『宮出し』の風景は絵になりますからね。
鳥居をくぐって一歩外へと踏み出す場面は見ときたいじゃないですか。

神社を出ただんじりはそのまま商店街に入り、西之町の町内に入る細い路地に差し掛かります。

『狭い道マニア』のワタクシとしては、この場所を通る場面が見たかった!

両側に建ち並ぶ民家もここ数年でほぼ建て替わった様で、以前に比べてずいぶん通りやすくなりましたな。
毎年の祭礼日でも、この道を通る場面はなかなかお目にかかれないので、見ておきたかった場面なのです。

ここで!・・・せわしない様ですが、ワタクシは再度尼崎へと移動し、丸嶋のだんじりの入庫を見届けにやって来ました。
お互いの距離が近いってのもいいねぇ。

先程は各町のだんじりが出迎えてくれた共同小屋も、この時間はもうひっそりとしていました。

予定時間の午後3時を少し前に、丸嶋のだんじりは無事にお披露目曳行を終了。
小屋へと収まりました。

さて、再び野里へと戻りまして、残すは野里西之町の宮入り。
やっぱり神社に小屋のある地区の場合、曳行の最後を締めくくるのは宮入りであります。

町内をお披露目した西之町のだんじりが、祭礼日の宮入りの晩には通らない神社西側の路地から、神社へと帰って来ました。

鳥居前を一旦通過し、商店街で向きを変えて、ここからは祭礼日の宮入りと同じ形で鳥居をくぐります。
あとはそのまま、祭礼と同じく参道での宮入りパフォーマンス。

大修理の完成しただんじりで、渾身の曳行を見せます。
参道に居並び、それぞれにカメラを掲げる多くの見物客を眺めながら、だんじりファンもこの時を待ちわびていたのか?…と思うぐらい、この日はたくさんの見物客が押し寄せていましたね。

それを後押しするかの如く、この日の最高気温はなんと20℃越えだそうで、夏日一歩手前の陽気。
長く厳しかった今年の冬から、一気に春の訪れを思わせる日に、今年のだんじりシーズン開幕といった感じでしょうか?

やがて野里西之町のだんじりは参道奥の太鼓橋を越え、拝殿前に到着。

時間にして午後5時のちょいと前。
無事にお披露目曳行を終えました。
てな感じで、ちょいと長めに書いた今年最初の入魂式リポートは、ここらでお開きです。
まずは野里西之町、そして丸嶋の皆さん、この度はだんじり修復完成、おめでとうございます。
また祭礼での威勢の良い曳行を楽しみにしたいと思います。

今回はここまでにしときましょ。
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