茶屋のだんぢり漫遊録

目次

夏祭前にこの話題には触れておこう




関東では早々と梅雨明けが発表されましたね。
近畿地方の梅雨明けはまだですが、週間天気予報では7月に入ってからの向こう一週間に雨マークがなく、もしかしたら来週早々に近畿地方でも梅雨が明けるかも知れません。

今年は暑い夏が長く続くって事でしょうか?

それとも岸和田祭を迎える頃には、めっきり秋らしくなっているのでしょうか?


今のところそれはまだ分かりませんが、ひとまず、訪れる夏を迎え入れましょう。



さぁ、そんな夏祭本番を迎える前に、こちらの話題には触れておかねばなりません。

それはこちら!



生野区勝五のだんじりが今年新調されまして、6月3日(日)入魂式ならびにお披露目曳行が行われました。

お写真は、神社での入魂式を終えた後、お披露目曳行に出発してからの模様となります。
こちらを順次ご紹介しながら、お話を進めて参りますよ。



昨年、ワタクシが当ブログにて、この勝五の先代だんじりの昇魂式に絡めながら幼少期の思い出を長々と語らせていただいた事、皆さま覚えておいででしょうか?


昨年11月の昇魂式から半年、いよいよ勝五の新調だんじりが完成したという事であります。

大工は《大下工務店》、彫師は《辰美工芸》にて製作され、先代だんじりのシルエットをそのままに、ひとまわり大きくされた形となっています。



先代だんじりは三枚幕式だんじりでしたが、今回新調されただんじりは土呂幕部分には彫物を施し、二枚幕式だんじりとしての誕生。



またその見送り幕は、かなり目を引く龍や菅原道真の刺繍をあしらったもので、幕だんじりとしてのこだわりも併せ持つ形式を採っています。





6月3日(日)は、この勝五以外にも様々なだんじり行事が行われており、それらひとつひとつのご紹介も進まぬ中、とうとう6月最後の日を迎えてしまいました。

これを機に7月は『ブログマンスリー』とし、5月6月にご紹介出来なかっただんじり行事を、一気に大放出いたします!・・・・・・なーんて無理ですよー!

夏祭シーズン本番を迎え、ワタクシ自身もいくつかの祭礼に密着する日が増えますからね、出来るだけ空けずにブログ更新を頑張りたいとは思いますが・・・



さてさて横道それた話題を勝五のだんじりに戻しますが、この勝五の新調だんじりは4月30日(月祝)に《大下工務店》より搬入されまして、そこからは町内にて入魂式に向けての準備が進められて来ました。




そして迎えた6月3日(日)当日は、早朝より小屋を出発して氏神である御幸森天神宮へと宮入り。
神社境内にて入魂式ならびに記念式典が行われまして、午後零時半頃からお披露目曳行に出発・・・という流れでした。


ワタクシ自身はと言いますと、勝五の小屋から徒歩2分、直線距離にして100メートルという場所に住んでいながら、勝五のだんじりが小屋を出発するよりもっと早く家を出発しまして、堺市は深井中町、同じく堺市は富木の入魂式を撮影しておりましたので、この日、勝五のだんじりの姿は拝見しておりません。







なので勝五のお写真は別動隊の撮影によるものです。

なのでワタクシ、現在の住まいから一番近い場所にあるだんじりなのに、まだ勝五のだんじりのお姿をじっくり拝見した事ないんですよねぇ〜。



さてお写真見ながらリポートを続けて行きますが、お披露目曳行のだんじりは、氏神である御幸森天神宮のお膝元にある、コリアタウンの中を曳行しております。



元々ここ『猪飼野』と呼ばれる土地は、さまざまな歴史背景から多くの在日韓国人の居住する町として栄え、現在はそれを『コリアタウン』という観光スポットにしています。

特に近年、いわゆる『韓流ブーム』に乗って、そうしたキャラクターグッズを扱う『韓流ショップ』が大繁盛している事から、土日や祝日ともなれば多くの観光客で賑わっています。



さぁそんな日曜日の午後に、勝五のだんじりがお披露目でコリアタウンの中を曳行します。

お写真でも分かる通り、異国情緒あふれる中に大阪のだんじり。



コリアタウンが、ここまで本場韓国を意識したロケーションになったのは、つい最近の事ですけどね。



さて新調だんじり本体を語るにはお写真が足りませんが、特徴的だった先代だんじりの屋根の形を、うまく再現したものだと思います。



さらに寸法とバランスで言えば、猪飼野のだんじりを手本として考案されているはずで、平成28年に猪飼野のだんじりが《大下工務店》にて大改修された事が、勝五のだんじり新調の引き金になった事は明らかでしょう。


先代だんじりは責任者が前に立つと、隣懸魚に頭が触れるぐらいでしたが、新調だんじりだとご覧の通り。




まさに
『勝五のだんじりとはどういう形か』
という地元の人達の思いを崩す事なく、堂々たる姿見に仕上げられたのは、大変素晴らしい事ではないかと思います。




この日のお披露目曳行は夕方4時までには小屋に納められ、無事に一日を終了されました。

今年の夏祭からこの新調だんじりで、勝五の新しい歴史が始まります。

勝五の皆さま、この度はだんじり新調、誠におめでとうございます。




なお、先代だんじりは都島区の桜宮の御旅所である善源寺に売却されました。

こちらも今年の夏祭から善源寺のだんじりとして活躍します。




さぁ!


そんな今夜は平野杭全の試験曳きですよー!

大阪夏祭、いよいよ本格始動です!



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