今年最後の台風の話題としたい
先日の9月30日(日)は台風24号の影響で、特に泉州地方の各地で予定されていた試験曳きが軒並み中止になってしまったのは記憶に新しいところです。
そしていよいよ本祭を迎える明日からの三連休も、またもや台風が接近しているという状況で、祭礼のみならず世間では運動会シーズンでもあるこの時期、土日たんびにやってくる台風に世間全体がウンザリしているとも聞き及んでおります。

さてそんな中、『お天気大好き信濃屋』がお送りする当ブログでも、台風に関する話題は度々お送りしてきました。
だんじり曳行には雨だけでも大変なのに、こと台風ともなると様々な諸問題がつきまとうので、ワタクシなりに思うところが沢山あるのです。

ご覧頂いている写真は、9月30日(日)に行われた、泉大津市は千原町の入魂式の模様をご紹介しています。
台風接近、そして直撃が叫ばれる中、《泉谷工務店》にて修復を完了した千原町のだんじりは、この日の早朝・夜明け頃に町内へと搬入され、午前6時過ぎから曽根神社へと曳行されて、入魂式が執り行われました。

この日に試験曳きを予定していた各地区では、それぞれに決行か中止かの判断を迫られた事でしょう。
もう数日前から中止を決定した地区もあれば、前日ギリギリまで熟慮を重ねた地区まで、その判断は困難を極めたと思われます。

第一に考えるべきは『安全』であって、特に泉州をはじめとする大阪府、及び関西一円は9月4日の台風21号で手痛い被害を受けただけに、24号も同じような勢力で直撃コースを取られたら、中止にせざるを得ないのは各地区とも共通の認識だと思うのです。
要はどのタイミングで中止にするのか?
・・・この点において、各地区とも判断の分かれたところだったのではないでしょうか?
千原町の入魂式は、まず早朝であったこと、そして何よりだんじり修復後の神事である事から、決行されました。

同じ日に、同じく泉大津市の西之町も修復後のお披露目曳行が予定されていましたが、こちらは入魂式は先に行われており、この日はお披露目曳行のみという事で、中止とされました。
判断の分かれ道は、こうした『行事の重要性』も考慮の材料とされます。

やはり祭礼前の神事は済ませておくべき・・・という考え方は、各地区ともベースにある様です。
この千原町のある『曽根・助松地区』(別名:上条地区)では、八町の連合が発足して今年で30周年という事で、午後からはその記念曳行が予定されていましたが、そちらは中止に。

それに先立ち午前中は、千原町の入魂式の祝賀も兼ねての試験曳きが予定それており、そちらはまだ暴風雨の襲来する前ということで、決行されました。

そんな地区とはまた別に、神事だけは行なっておきたいという発想のもと、お昼前後にだんじりを曳行したのはこれも泉大津市の穴師地区でした。

この地区では、試験曳きのはじめの時間帯に、各町が1台ずつ神社へ宮入りして、安全祈願のご祈祷とお祓いを受ける仕来たりになっています。
この神事だけは事前に済ませておかないと、祭礼当日、曳き出しの時に宮入りをせねばならなくなり、通常通りの曳行が出来なくなります。

そのため、宮入りのために各町ともだんじりを曳き出して、時折小雨がパラつく中を1台ずつ神社へ曳き入れてはご祈祷・お祓いを受けたのち、穴師地区の周回コースを1周だけ回ってすぐ帰町されました。
これも判断のひとつであって、台風の暴風圏に入る前に行えるものなら行なっておきたいとの思いもあって、時間とコース限定での曳行が決定されました。
もし、台風の暴風圏に入るのがもっと早い時間なら、この判断も出来なかったのではないでしょうか?

午前中から暴風圏に突入していたら、曳行どころではなかったかも知れないし、そうなった場合、仮に早く台風が通り過ぎていたら、もしかしたら夕方からでも曳行出来たかも知れません。
こればっかりは自然が相手なので、それに合わせるしかないって言うのが本音でありましょう。

実際、雨が本格化したのは午後4時前後からで、台風の暴風圏に入ったのは日が暮れてからだったと思います。
結果的に、試験曳きは『やろうと思えば出来た』という事が言えますが、安全を第一に考えるべき上では、各地区の中止決定は、決して間違っていなかったと思われます。
そして、町単位の判断で雨風の様子を伺いながら、時間を短縮した上で試験曳きを決行した町も、それはそれで各町の判断であり、柔軟な対応であると思うので、それをことさら責める気持ちもありません。
事故なく、無事に試験曳きを終えられたのなら、結果オーライであると思います。
それぞれの熟慮と判断の上での事なので、どっちが正しくてどっちが間違いということは、言い切れないはずだと思っています。
さぁて!
早い地区では本日10月5日(金)から祭礼本番に突入している地区もあり、また地区によっては10月8日(月祝)も祭礼という所もあります。
都合4日間にわたり繰り広げられる『堺・泉州十月祭礼』ですが、このタイミングに接近してくる台風25号について、ワタクシ『信濃屋ウェザーニュース』的な見解をお話ししたいと思います。
今回接近している台風25号は、天気予報でも周知の通り、九州の西側(東シナ海)から朝鮮半島をかすめて日本海側へ抜けるコースが予想されています。
海水温が低いために、もうこれ以上発達しないばかりか、徐々に勢力を衰えさせると思われます。
台風の進行方向の右側は『危険半円』と呼ばれ、左側の『可航半円』より強い風が吹くと言われますが、それも暴風圏に入っての事なので、強風域のまだ外側なら、たいした影響はありません。
おそらく、祭礼を中止にせねばならない様な暴風雨には、ならないと思います。
とはいえ、日本の上空に横たわる秋雨前線が台風によって刺激されるので、雨は避けられないと思われますが、その降り方というか雨量においても、それほど心配しなくても良さそうです。
現に、雨予報だった本日も曇り空で経過しています。
降ったとしても通り雨程度の雨なら、これまでの祭礼で幾度も経験している事でしょう。
モチロン、台風は現在進行形で動いているので侮る訳にはいきませんが、正直『恐るるに足らず』と申し上げて差し支えないのではないでしょうか?

あとは、今日から、もしくは明日から祭礼本番を迎える皆様におかれましては、身の安全を確保された上でケガなく祭礼をエンジョイされます事をお祈り致します。
そして近郊からだんじり見物にお出かけの方は、現場関係者の指示に従い、安全に楽しく見物される事をお願い致します。
もし万が一、台風接近による交通機関への影響などある場合は、必ず熟慮の上での計画行動をお願いしておきます。

さて、いよいよ始まる大規模なだんじり曳行日『堺・泉州十月祭礼』、台風の動きに注意しつつも、楽しく安全な祭礼となりますよう、お祈りしつつ、今年はまたこんな台風の話題に触れなくて良くなる事を願いながら、今回はここまでしておきます。
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