茶屋のだんぢり漫遊録

目次

季節は立冬・・・冬支度の始まり《前編》




今月に入って最初のブログです。

11月3日・4日の土日連休は、
地車 in 大阪城 2018
でした。



前回のブログで告知した通り、4日(日)は32台ものだんじりが大阪城公園に集結し、壮観な『だんじり絵巻』を繰り広げました。

今回と次回のブログは、その2日間の模様をサラッと振り返っておきたいと思います。



11月3日(土祝)

今年も午前3時頃から、このイベントに参加するだんじりがトラックにて搬入されて来ます。



今年の1番到着は生野区の中川のだんじりでした。

現場で警備や案内などの運営業務に携わるのが、『摂河州地車聯合』『若中』という組織の人たち。
主に城東地車聯合の各町から選出された人達で構成されていて、トラックの受け入れや公園内での配置、降ろされただんじりの据え位置の案内など、ホスト的な役割を果たしています。



世間が寝静まっている時間帯に、この人達の活躍がなければ『地車 in 大阪城』は成立しない訳で、本当に裏方さんの存在は大きいと痛感させられます。



さてそんな真夜中から早朝にかけての搬入が無事に終わり、この日に参加する16台のだんじりが大阪城公園内にすべて揃いました。




午前9時までには各町の参加者が集まり、それぞれにお囃子がスタート。



前回のブログでも触れましたが、大阪系『天神囃子』が響き渡ります。

午前10時半に先頭の永田町から曳行出発
森ノ宮の噴水をぐるりと回って野外音楽堂方面の森の中へと進んで行きます。



毎年の事ですが、このイベントの初日は城東区の10台とそれと深い付き合いのある6台によるもので、言うてしまえば例年通りの風景と言うか、波風の起きない安定したイベント風景が繰り広げられます。



そんな中でも、例年とは違った今年の変化というものもありました。


まず、午前曳行を終えて会場内に整列してからのパフォーマンスですが・・・

昨年までは半分ずつ2グループに分かれて行われていたパフォーマンスが、今年は16台が一斉に行うという事で、この光景には驚きました。



しかも16台ともほぼノープランで動き出したと見えて、思い思いに動き出した各町のだんじりは、道中出くわす町と手打ちを交わしながら、それぞれの定位置から遠くへ、遠くへと足を伸ばして行きます。



規定区域内の至る所で複数のだんじりが入り乱れ、手打ちを交わす2台の後ろをすり抜けるだんじりアリ、3台・4台が輪になって手打ちを交わす場面アリ、もう個別に回したりして遊んでるだんじりアリと言う、結構な『カオス状態』が繰り広げられました。



撮影泣かせ、また編集泣かせな場面ではありましたが、あちこちで不規則に重なり合うだんじりの光景は、本当にこのイベントでしか見られないだろうし、なかなか見応えのある風景となりました。

この辺が、あらかじめ設定されていたプログラムの想定を超えて突発的に生み出される場面なのであります。




さて午後。

いつものようにお囃子の競演をする時間が豊富にある初日。
あちこちで打ち手が入り乱れて、普段の祭礼ではあり得ない顔ぶれが1台のだんじりに乗り込んで囃子を打つ場面が見られます。



かく言うワタクシも、このタイミングで岸田堂のだんじりに乗り込みお囃子を1曲させて頂きました。

大阪のだんじりは、動いてない時も『お囃子』さえ鳴ってればそれは『祭』です。


『地車 in 大阪城』では、このお囃子競演真っ最中の時間に『一般参加の曳行』が行われます。

だんじりなんて見るのも初めて・・・みたいな一般の人が、だんじりの曳き綱を持てる機会があるのです。
これに毎年協力しているのが、城東区の永田のだんじり



曳き綱を目一杯伸ばして、多くの『だんじり初体験者』を引き連れて会場内を回ります

今年は会場から出て、すぐ隣にあるカフェのエリアを曳行しました。
こちらは『地車 in 大阪城』とは全くの別世界で、だんじりなど目もくれずに賑わっておりまして、今年はそこへだんじりを持って行く事をしました。



まぁだんじりに興味のない人達にとっては、その魅力は伝わりにくいかも知れないですが、世間一般には、
『だんじりなんて岸和田にしかないもの』
というイメージがいまだに根強く、大阪市内やその周辺にだんじりがある事、また地域によってその特色は違う事など、知らない人達が大半です。

もっと世間一般にだんじり文化の存在を知らしめていくためにも、こうした地道な活動は大切ではないかと思いますけどね。


一般参加の曳行が終わり、16台のだんじりはまた午後の曳行に出発します。



で、再び会場へ帰って来てから、毎年恒例の『直線ダッシュ』てのがあるんですが・・・

今年は会場のレイアウトの関係で、規定区域が湾曲してましてねぇ〜。
要は、中央のステージを挟んでだんじりを並べる配置が、ちょうどブーメランのような形になってるのですよ。



↑だんじりの並びが中央ステージを挟んで『ハの字』になってるのが分かるかな?

そのために会場の端から端を見通せない形状になっていて、直線ダッシュが直線ではないという事になっており、各町のだんじりは走りながら、湾曲したコースを『くの字』に舵を切らなきゃいけない事になってまして、これはこれで面白かったですね〜。



この『地車 in 大阪城』というイベントは正に『生き物』で、ちゃんとプログラム通りに進行してそれ以外は何も起きないイベントとは違ってて、フタを開けてみないとわからない要素が、どこに潜んでいるか分からないんですよね・・・



だから撮影も計画通りには行かない時もあるし、その場その場で対応を迫られる時もあるんですな。


夕方になり16台のだんじりが再び整列し、久しぶりに『IKECHAN』によるライヴもすごく盛り上がりました。


『地車 in 大阪城』と言うと、30台近いだんじりが一堂に揃う2日目は確かに見応えあるのですが、このレギュラーメンバーとも言える16台による初日も、なかなか見どころに溢れてるんですよね。




この初日をあえて外して2日目だけ来られている皆さん、来年は初日から足を運んでみられてはいかがかな?


次回に続きます。


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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