和泉市から向かった先・・・

繰り返しになるが、9月2日(日)は岸和田だんじり祭の試験曳きの日。
未明から和泉市は松尾連合の久井町の入魂式にお邪魔し、そのお披露目曳行までを見届けていた。

岸和田旧市地区の某町に若頭として籍を置いている僕は、午前9時の集合時間までを利用して、その日に行われる入魂式をリポートしていた。
久井町のお披露目曳行を、一番海手となる春木町の交差点の手前までついて行ってハタと気がついた。
『チャリを神社の近くに置いてきてもた…』
いつも車に移動用のミニチャリを積んでいて、現地での細かい移動はそのミニチャリを駆使するのだが、裏道のない久井町の町内で、チャリでだんじりを追い抜くのも安全上憚れるので、こんな時はだんじりと一緒に走るのが一番と、長い1本道を延々走って春木町の手前まで行ってしまった。

さぁ、次の場所へ移動せねばと思った時にチャリがなく、来た道をトコトコと徒歩で戻るしかなかった・・・
結構なタイムロスをしてしまったが、午前7時までには久井町を後にして、向かった先はこちら。

泉佐野市の長坂地区・上瓦屋の入魂式。
和泉市の久井町から、外環状線1本で到着するのは有利な立地。
事前に調べておいたパーキングに車を停め、ミニチャリで現地へ向かう。
上瓦屋のだんじりは午前6時頃から小屋を出発して、氏神である奈加美神社にて神事を行なっているタイミングに到着できた。

ひとまずその風景から写真に収めようとシャッターを切っていたら、
『マニアックな変態が写真撮っとるわ…』
上瓦屋のだんじりに参加している同級生のAちゃんがニタニタ笑いながらそう言ってきた。
お互いだんじり好きであるが、マニアと呼ばれるのを嫌い、お互いに『マニア』をなすりつけ合う間柄。
そう、ここにハッキリ宣言しておくけど、僕らは決してだんじりマニアでも変態でもなく、単に だんじりで過ごしてきた年月が長いだけ・・・なのである。

まぁ今もこうして顔を合わせれば、マニアをなすりつけ合うのは変わらないが・・・
さてここ上瓦屋のだんじりは、平成12年に《植山工務店》にて新調されたもので、泉佐野市で平成に新調されただんじり第1号となる。

その後、泉佐野市で新調されただんじりは長滝東ノ番のみで、平成時代における泉佐野市の新調だんじりは、この上瓦屋と長滝東ノ番の2台で終えそうである。
彫師は《木彫 岸田》岸田恭司 師、《木彫 近藤》近藤晃 師によるもので、各彫物は当サイトの写真館の『彫物』を参照されたし。
『写真館』→『泉州地域』→『泉佐野市』→『長坂』→『上瓦屋』で検索できるほか、各町の紹介ページからも同じ手順でリンクが貼られている。

さて神事も滞りなく終わり、これよりお披露目曳行へと移る。
まずは宮出してから最初の遣り廻しポイント『日新小学校前交差点』にて陣取る。

この地区の遣り廻しの名所と言われるだけあって、多くの見物客が待ち構えている。
この日初めて、たくさんの見物客が詰めかけている現場に来た感じ。

だんじりはこの交差点での遣り廻しを決め、自町内へ向けて曳行される。
纏を持って先頭を走るAちゃんがニタニタ笑いながら、
『こんなん撮らんでええでー!』
相変わらずやなぁ。

久井町で過ごした未明から早朝にかけてはまだ冷んやりとしていた空気だが、午前8時を回り、すっかり朝陽が昇ってくると、やっぱり暑いんである。
こりゃ、午後からの岸和田の試験曳きは、やっぱり暑くなりそうや・・・
そんな事を考えながら、上瓦屋のだんじりについて走る。

事前に曳行コースをお知らせ頂いていたので、ミニチャリも適度な場所に置いて、適度について走りながらのリポート。
この地区の連合パレードに於ける遣り廻しのポイントとなる『山出交差点』での遣り廻し、続いて国道26号線高架の側道への遣り廻しと見たところで、僕的にはタイムリミット。

午前9時の自町の集合時間に間に合うべく、上瓦屋を後にした。

酷暑となった2018年の夏は、こうして残暑を残しながら、少しずつ去って行くと、この時は思っていた。
よもや数日後にあのような事が起こるなんて、まだ誰も思ってなかったはず。
そう、2018年の夏を一気に吹き飛ばす、台風21号の接近・上陸2日前の事なのである。
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さて、こんな感じで過去のだんじり行事を拾いに行きます。

まだまだ去年の忘れものはたくさんあるので、次はどんな感じにアレンジしてお送りするか、まぁ気楽にお付き合いください。
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