『大阪だんじり路線』開通を祝して

今年の3月16日(日)、『JRおおさか東線』が全線開通し、旅客運転を開業しました。

この『JRおおさか東線』は元々、単線の貨物路線だった線路を、貨物としての稼働が落ち込んで久しかった平成に於いて、旅客路線としての再利用を掲げ、全線の複線化、電化、高架化を進め、新大阪までを繋げるというものでした。
その南側半分にあたる、久宝寺から放出までの路線が旅客線として開業したのが2008年の3月15日ということで、今から11年も前になるんですねー。
この路線、平野区から東大阪市の長瀬、高井田を通り、城東区の鴫野を経由して旭区を通るという、まさにだんじりの多数現存する地域を縦貫している路線、まさに『大阪だんじり路線』と言えます。
現在、毎年4月29日の夕方から行われている『長瀬連合パレード』も、この『おおさか東線』のJR長瀬駅前のロータリーに集合するし、平野区の細田のだんじりは新加美の駅付近でパフォーマンスを行うし、鴫野駅前では毎年夏と秋に城東地車聯合によるパレードが行われています。
そんな『おおさか東線』の北側半分となる放出から新大阪までが今年3月にようやく開通し、同月16日(土)から営業運転を開始しました。
南半分の路線が開業してから、実に11年という歳月をかけての全線開通です。

その記念として3月31日(日)、沿線である旭区から赤川、生江、中宮の3台のだんじりと、加えて都島区から内代のだんじりが集まり、新路線と新駅の開業をお祝いするべくパレードを行いました。
今回開通した路線に設けられた新駅というのが、放出の次の鴫野は元ある駅を拡張併設したもので、その次のJR野江、城北公園通、JR淡路、南吹田の4駅が新たに設置され、そのうち旭区は『城北公園通』駅があります。

まず各町のだんじりは午前10時頃から小屋を出発して、集合場所である旭区の区役所へと向かいます。

今回、旭区の3台に加えて都島区から内代のだんじりが参加したのは、内代にとっての氏神さまが旭区の大宮神社であり、生江、中宮のだんじりとはおなじ氏神となります。
また赤川とは『地車 in 大阪城』での繋がりがあり、現在の内代が旭区のだんじりとの繋がりが深いようです。
さらに内代の町内から程近い『JR野江駅』は、厳密に言うと野江水神社の氏地となるため、内代にとっては近隣駅ではあるものの氏地外であることも関係あるようです。

そんな内代は、他のだんじりよりも先に城北公園通駅の近くを通過して区役所通りへと進みます。

その道中で、他のだんじりと合流。
赤川を先頭に4台連なって、区役所へと到着したのが午前11時。

11時45分の再出発まで、区役所前でしばしの時間待ちです。
今まで鉄道路線のなかった旭区に鉄道が開通した事で、こうして旭区のだんじりが一同に揃うことも初めてでありましょう。

さて11時45分になりまして、ここから4台で揃って新駅へ向いてパレード・・・と思いきや・・・
なんと15分間隔で1台ずつの出発という・・・
『なんやねん、それ・・・』
と、思わずため息が漏れそうな時間の割り振りに膝が折れましたが、旭警察としても、これまで区内でだんじりの連合パレードなど経験した事ないでしょうし、致し方のない事なのかもしれません。

それでも、新駅であるから城北公園通駅までの道中で次第にだんじり同士の間隔も縮まり、これより1台ずつ、新駅開業のお祝いのため、駅前へと曳き入れられます。

駅前では駅長さん、駅員さんのお出迎えを受け、手打ちでお祝い。

思えば今年に入って、大阪系『ヂキヂンコンコン系』のだんじりの行事としては、最初のイベントになるんですかねぇ?
沿道には割と多くの見物客が立ち並び、その様子をカメラやケータイに収めてました。

こうして新駅の開業祝いを終えた4台のだんじりは、そこから城北公園通りを東へ進み、城北公園の中へと入ります。
春のお天気は変わりやすいとは言うものの、さっきまでよく晴れていた空が急にかき曇り、パラパラと雨粒が落ち始めた折も折、城北公園の上を通る幹線道路のガード下はアーチ型にデザインされていて、ちょっとしたプロムナードの雰囲気。

だんじりの通り道としてはもってこいのロケーションで、雨を避けながらこのガード下を通り、4台のだんじりが横一列に整列しました。

一時的な通り雨とはいえ、ちょいとお天気が残念な感じになる中、この後だんじりはそれぞれの地元へと解散して行くという流れ。
せっかくの晴天のもと行われていたイベントなのに最後の方は肌寒くなってしまいましたが、今年最初の大阪系だんじりの行事ごととしては、まずまず上々の盛り上がりだったのではないでしょうか?

ちょいとこの『JRおおさか東線』に関してこぼれ話をひとつ。
昨年3月、先に開業していた久宝寺↔︎放出間で、ひとつ新駅が開業していたのをご存知でしょうか?
JR長瀬駅と新加美駅との間が2km以上離れていて、ここに『衣摺加美北駅』というのが開業しました。
それに合わせて駅前でオープン記念イベントが開催されたのですが、そこに近隣のだんじりを集めようという計画がありました。
実現すれば、東大阪市の衣摺と、柏田と、大蓮南と、平野区の加美北東のだんじりとが顔を合わせる初めての機会となるはずだったのですが、結局この計画は実現しませんでした。

まぁ、平野区から長瀬を通り、高井田、城東区、旭区と、だんじりが多数現存する地域を縦断している路線だけに、これからもこの沿線では、路線と絡めただんじり曳行の風景が数多く見られる事でしょう。

今回はちょっと長くなりました。
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