平成最後を飾る新調だんじり《後編》

結局、平成中に前回のブログの続きを更新せず、なんと『元号またぎ』になってしまいました。
平成最後のブログと令和最初のブログがひとつの話題。
これも『ありがたき仕合わせ』と捉えて、前回からの続きと参りましょう。
4月7日(日)
神戸市東灘区・住之江區の新調だんじりの入魂式の話題。

早朝から町内へと搬入されただんじりは、引渡し式を経て本住吉神社へ鳴物ナシで曳行され、拝殿前にて入魂式。
ようやく鳴物を鳴らしての曳行にて神社を出発し、まずは町内を目指します。

こうして新調だんじりに鳴物が入り、人が乗り込み、曳行が始まるとそこはやっぱり住之江區の雰囲気となります。
しかしそこはまだ真新しいだんじりで、曲がり角を方向転換させるのはひと苦労。

四点のコマの位置やバランスの関係だと思うのですが、思う様に前が持ち上がらないと見えて、曲がり角はなかなか大変そうです。
それでも、午前中に住之江區の町内をお披露目して周り、11時頃には会館前へと戻って来ました。

赤絨毯の上に、斜め向けて据え置かれた新調だんじり。
この日はこの住之江區の会館前の道路(地元の人は本通りと呼ぶ)を封鎖しまして、この場所にて記念式典が執り行われました。

住之江區の町内にも広めの公園はあるのですが、住之江區と言えばやっぱりこの会館前の道路がメインであり、祭礼日もこの道路で様々な場面が繰り広げられます。
幸い、この『本通り』は通り抜け道路ではなく、住之江區の人々の生活道路なので、封鎖しても問題ナシです。

なので、記念式典もやっぱりこの場所が一番自然で、一番お似合いなのであります。

さて、記念式典の内容はまぁ、どことも同じような感じなので詳しくは述べませんが、この式典ののち、再びお披露目曳行を再開して、まず向かった先は、阪神住吉駅のガード下。

ここは、住吉地区のだんじりはすべて通行する道であり、また各町ともだんじりを新調もしくは大改修を行う際には、このガード下を潜れることを前提に寸法を調整する箇所。

住之江區の新調だんじりも、このガード下を潜れるように寸法取りを行なっていますが、実際にだんじりを通らせてみて、その間隔がどれくらいかを確かめます。
阪神住吉駅のガード下をクリアして、次に向かうはJR神戸線のガード下。

本住吉神社のすぐ北側を走るJR神戸線ですが、神社裏よりすこし西へ行ったところの、御影地区との境界線にあたる道路。
5月5日の本祭にて、このガード下を通行します。

ここも住吉地区のだんじりが必ず通る道なので、住之江區のだんじりもこのガード下へ実際に入れてみる。
それらの『確かめごと』も終わり、時間的にも午後4時半。
これより蔵入れのための宮入りとなります。

住之江區といえば、何と言っても宮入り時の練り回し。
その雰囲気、一体感、そして回す時間の長さと、神戸随一の見せ場と豪語する住之江區の練り回しを行えるかどうかですが・・・

新調だんじりの重さのみならず、どうも車軸の位置が担ぎ手に負担をかけるようで、この日は上手く上がらず、モチロン思う様には回せませんでした。

参加者のご苦労が見ている側にも伝わる程でしたが、何はともあれ、待望の新調だんじりを迎え入れ、入魂式とお披露目を無事に挙行し、入庫させる事が出来ました。
幸い、このだんじりは台木に車軸のホゾ穴を施していないので、車軸の位置の微調整はそう難しくないでしょう。
実際、4月30日に行われた『平成最後の日の奉祝祭』と、5月1日に行われた『令和奉祝記念巡行』の時には、スムーズに曳行できる住之江區の姿がありましたので、すでに微調整を施して記念行事に臨まれたのでしょう。
平成最後を飾る新調だんじりは、これから明日から令和最初の祭礼を皮切りに、住之江區の宝物として、末永く大切にされる事でしょう。

住之江區の皆さん、この度は新調だんじり完成、誠におめでとうございます。
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