左専道の合戦

前回、『令和最初の新調だんじり』と銘打って、泉大津市・上之町の入魂式の模様をお伝えしました。
そのままの勢いで、令和2番目の新調だんじりをご紹介しましょかね。
こちら!

城東区は諏訪のだんじり。
大工:《大下工務店》、彫師:《辰美工芸》によるもの。
5月19日(日)の朝から、諏訪神社境内にて入魂式ならびに記念式典、午後からお披露目曳行が行われました。

令和に入って入魂式・お披露目を行なっただんじりとして2番目となるのですが、こちらのだんじりも、完成は平成の間に迎えております。
ワタクシは所用で入魂式および記念式典には足を運んでおりませんでね、お写真も午後のお披露目曳行からなのですが・・・
この日は『城東聯合春まつり』の日でありまして、城東区内の、諏訪とは別の場所で、城東聯合のうち鴫野と今福合わせて7台のだんじりが集合。

これより、諏訪のだんじり新調をお祝いすべく、連合曳きで諏訪へと押し寄せるとの事であります。

その中には、諏訪と同時期に《大下工務店》にて改修を施した、鴫野南之町、鴫野西之町のだんじりも含まれておるのですが、そちらのご紹介はまたの機会にね。

天王田の町内にある『新宮温泉』前を出発した城東聯合のだんじりの列は、寝屋川の南側で中浜のだんじり、内環状線の手前から永田のだんじりも合流して9台となり、諏訪へとやって参ります。

午後1時にお披露目曳行に出発していた諏訪の新調だんじりも、一旦神社へと戻りまして各町の集合を待っているとの事。

この時点でワタクシはまだ諏訪の新調だんじりの姿を写真に収めてはおりません。
諏訪神社の南側、いわゆる神社裏と呼ばれる場所に、城東聯合9台のだんじりが、まさに詰め合って肩を寄せ合って居並びます。

狭いキャパに、だんじり参加者と見物客が密集している状態に、いよいよ諏訪の新調だんじりが登場です。

聯合各町のだんじりに、揃って出迎えを受ける諏訪の新調だんじり。
同時期に改修を施した南之町、西之町のだんじりも別並びで、諏訪のだんじりを迎えます。

諏訪の地にこれほどのだんじりが集結した事も初めての事と思いますが、聯合の絆を再確認しながら、諏訪のだんじり新調をお祝いしました。
この後、諏訪のだんじりが先頭に立って連合曳きを行い、少し離れた場所で、お祝いに訪れた聯合各町のだんじりを1台1台、答礼とお見送り
。

詰め掛けた大勢の見物客も、三々五々方々へと散って行きまして、ようやく諏訪のだんじり参加者と、それを囲む地域の方々だけになったもころで・・・
だんじり本体の鑑賞です。

神社内に据え置かれている時に写真を撮ってませんので、無人の姿見写真は今回ないのですが、全体像はこんな感じ。
屋根廻りの彫物から見て行きましょう。
大屋根正面『拝懸魚・隣懸魚』で表現するは、『諏訪神社の腰掛岩に、菅原道真公がお座りになる』図。

大屋根正面車板にあたる部分は、車板、枡合、虹梁が三段分けになっていて、三段合わせて『天之巌戸開き』を表現しています。

主後と小屋根の獅噛みを二つ合わせてご覧いただきましょかね。

小屋根の懸魚は、諏訪神社の伝統芸能である、『獅子の奉納舞』

まぁ厳密に言うとこんな感じではないんですけどね・・・
見送り三枚板に目を移しましょう。
右の平『佐竹義宣、蒲生今福の合戦』

ワタクシ的にはお気に入りの作品で、表情が秀逸ですね。
左の平『後藤又兵衛、鴫野の合戦』

こちらも馬乗りのポージングや絵の構図はなかなか良いのではないかと。
そして正面『木村重成 左専道の合戦』です。

こちらの図柄はオリジナルで、左右と同じく城東区が戦場となった『大阪冬の陣』の中で、鴫野今福の合戦の流れで左専道へも戦火が及んだ設定の架空の場面です。

豊臣方、真田幸村の臣下・木村重成の戦いを、不動明王が見守るという何とも摩訶不思議な図柄となっております。
ここ、城東区・諏訪の夏祭は、6月終わりから8月初頭にかけて各地で行われる『大阪夏祭』の中でも、ほぼ一番早いと上げても差し支えないんじゃないですかね?
今年は『G-20 サミット』の影響で平野杭全の試験曳きも7月6日(土)と言う事で、諏訪の夏祭はそれより1日早く、7月5日(金)の夕刻からだんじり曳行が始まります。
是非足を運んで頂き、この新調だんじりを鑑賞してみてはいかがでしょう?

諏訪のみなさん、この度は新調だんじり完成、誠におめでとうございます。
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