茶屋のだんぢり漫遊録

目次

山手幹線を西から東《後編》


大阪市内を中心とした『夏祭シーズン』の渦中に呑み込まれまして、すっかり忘れておりました・・・
ブログのことを・・・

いやいやいやいや!・・・ブログそのものの事を忘れていた訳ではありませんよ。
しかし、前後編の『つづきもの』の途中で途絶えていることは、すっかり忘れてましたね~(汗)

どうせなら完結させてから途絶えろよな・・・ってことで、遅ればせながら前回の続きと参りましょうかね・・・




6月2日(日)

神戸市東灘区・御影地区平野(上御影)のだんじりの昇魂式のお話をしておりました。



朝からお別れ曳行を終えまして、氏神・弓弦羽神社にて昇魂式を執り行いました平野のだんじり。



余生は芦屋市芦屋濱之町へと嫁ぐ事になっておるのですが・・・


それはこの日の、今これから、芦屋濱之町の皆さんが待ち構える場所まで、曳行にて向かうのであります!



その場所というのが、JR神戸線・甲南山手の駅前ロータリー


つまりこのままその場所まで曳行して行って、引渡し式を執り行うという趣向です。

直線距離にして・・・だいたい3km半ほどあるんですかねー?

ここからは詰め掛けた地域の人達、そしてだんじり好きのギャラリー達、みんなひっくるめての大移動でございます。




アタシゃ~お別れ曳行の時の延々続いた『とばせ』で、実はエネルギー使い果たしてんだよ!

こっから芦屋の手前まで歩くってのかい?
ここ御影だよ!
たまんないねぇ~~!(←なぜに江戸弁?)


・・・とゆーわけで、時間にして午前10時前



弓弦羽神社を出発した平野のだんじりは、もう魂を抜いた状態ということで、御幣を冠さずに曳行されます。




弓弦羽神社のすぐ東側は、住吉地区の山田區なのです。



阪急電車の線路沿いは、祭礼時には住吉地区の8台のだんじりが連なって通る道。

地域的にはだんじりを所有しておらない観音林の地区を通過します。

そして住吉川沿いを下りまして、山手幹線へ。



住吉川を渡ったところから本山地区へと入る訳ですが、ここからは、本山地区の各町が平野のだんじりを出迎えまして、先導案内を行います。



まずは野寄區から。

山手幹線のひとつ山側の道、すなわち『水道筋』を東へ東へと進んで行きます。



地区の境界線まで来ると、次の地区が出迎えて、先導の引き継ぎが行われます。
野寄區の次は岡本區

これはなかなか珍しい光景ですねー。
そして微笑ましい。

芦屋までの旅をするだんじりの安全を、本山地区全町でひと肌脱いでる感じ?



やがて水道筋が山手幹線から距離が出来る前に、だんじりは山手幹線へと出ました。

それにしても、お供をする見物客のなんと多いことか・・・



だんじりを取り囲むように進む見物客もひっくるめて先導する本山の各町。
『旅は道連れ世は情け』
を地で行く様な光景であります。



本山地区の東の端、最終となる森區が先導を引き継ぎ、いよいよ平野にとっての旅の終着点、JR甲南山手の駅前に到着であります。

そして、この甲南山手の駅前で待ち構えておりましたのが、芦屋濱之町の皆さんであります。



ロータリー内に式典会場が設営してありまして、遠路はるばる旅をしてきた平野のだんじりは、芦屋濱之町の人達に温かい拍手と歓声で迎え入れられました。

それはまるで、遠くから嫁いで来るお嫁さんを、一族全員で出迎える様でもあります。


時間にしてお昼前後ってトコですかね?



平野と芦屋濱之町の各関係者が揃って、引渡し式が滞りなく執り行われまして・・・

いよいよここからがこの日のハイライト。

平野のだんじりから山形提灯を始め飾り付けが取り外されて行きまして・・・



芦屋濱之町の飾り付けが成されて行きます。



かくして、平野のだんじりはここに、芦屋濱之町のだんじりになりました




これより、芦屋濱之町のだんじりは、この足で芦屋神社へと赴き、入魂式を執り行うとの事。

そう、このだんじりのこの日の旅はまだまだ続くのであります。


いざ、甲南山手の駅前ロータリーを出発する芦屋濱之町のだんじり。



平野の皆さんはここでお見送りです。


長年にわたり、平野で愛され、親しまれただんじりは、平野の人達に見守られ、見届けられて旅立って行きました。



このだんじりが、芦屋濱之町でまだまだ末長く愛され、地域の人達の絆を取り持つ役目を果たします様に。




そして平野には来年、待望の新調だんじりがお目見えします。


そちらも楽しみにしながら、2回にわたる道中記を終わらせて頂きます。
信濃屋お半悠遊!だんじり録
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