茶屋のだんぢり漫遊録

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新調10周年にフキチリを新調



昨日は天皇陛下の御即位を内外に示す『即位礼正殿の儀』が執り行われ、それを記念していくつかの地域でだんじりの祝賀曳行が行われました。

ワタクシ自身はとある地域から動かなかったのですが、いずれまたそれら祝賀曳行のお写真がワタクシの手元にもたらされれば、それについてご紹介する日も訪れましょう。


さてさて、ブログ本編でございますが・・・


『今年の夏は暑かった!』・・・てそれ、毎年言うてる様な気がしますが、今年の夏も、ご多聞にもれず暑かったですねェ。

しかし、8月の後半に、少しだけ暑さが和らいだ時期があったのを覚えておいででしょうか?

今日はそんな時期に行われただんじり行事のお話。



堺市・八田荘地区の、八田南之町が、今年で新調10周年を迎えまして、同時に宮入り用の『フキチリ』(漢字表記では『吹き散り』かな?)の新調に伴うお披露目も兼ねて、その記念曳行が行われました。



新調10周年ということで、このだんじりは平成21年(2009年)の新調完成



大工は《大下工務店》、彫物は《木下彫刻工芸》木下賢治 師が責任者となり作事された作品。



この日は午前6時に町内を出発して、氏神・蜂田神社にて神事を執り行います。



町内出発の時にはまだフキチリは付けておらず、通常の幟であります。


道中、八田荘地区の遣り廻しの名所を通過しますが遣り廻しは行わず、蜂田神社へと宮入り。



この時、新調されたフキチリを付けての宮入りで、真新しいフキチリが朝陽を浴びてきらめきます。



さて、この八田南之町のだんじりは、平成に入って初めて新調された『大屋根二重破風』のだんじりであり、それは先代だんじりから引き継いだもの。



さらに正面土呂幕と見送りに『元寇』(文永の役・弘安の役)から題材を取っただんじりで、『岸和田型』としては初めての事。

大工仕事、彫物ともに随所にこだわりを尽くした作品となっています。



町内は非常に軒数が少なく、だんじり所有町としては小さな自治会ですが、だんじりに熱心な人が多い事が、このだんじりから伺えます。


今回新調されたフキチリは、だんじり新調10周年を記念して町内の方から寄贈されたものであり、チチと水引の色が独特であります。



また今回の記念行事に合わせて、彫物の欠け継などの作業も行われました。


さて、神社における神事を終えただんじりは遣り廻しを解禁。

宮出を遣り廻しですり抜け、無事に町内へと戻って来ました。




お盆を過ぎてしばらくの期間は暑さが和らいでいたのですが、まぁこのまま順調に秋を迎えれるなんて思ってはいませんでしたが、まさかこの後、9月に入ってからとんでもない暑さがやって来るとは、想像もしていなかった頃。

秋めいた気候を満喫していた頃のお話でした。




八田南之町の皆さん、この度は新調10周年ならびにフキチリ新調、おめでとうございます。

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