《緊急特別寄稿》現在の社会全体の局面について

新型コロナウイルスの猛威が、地球規模で拡大しています。
連日のトップニュースも、どの時間帯を見てもこれに関するものばかり。
今日は何県で何人の陽性反応、今日は大阪府で感染拡大、今日はどこかの県で初めての感染者確認・・・などなど・・・
感染の広がりと、それに伴うデマによるトイレットペーパーの買い占めや、慢性的なマスクの品薄など、世間に流布するニュースは深刻な内容ばかりで気が滅入ります。
収束の気配すら微塵も感じられない中、その影響はここ『だんじり界』にも及んでおります。
すでに今月予定されていた『だんじり行事』が次々と中止または延期されております。

↑写真はイメージ
把握しているところでは、3月7日(土)に予定されていた南河内郡太子町・永田の搬入〜入魂式・お披露目、3月8日(日)に予定されていた神戸市東灘区・西青木の入魂式およびお披露目曳行などがそれに含まれるのですが・・・

いずれも神事だけを執り行い、お披露目曳行は延期という風に伺っておりますが、詳細は掴めておりません。
また3月14日(土)・15日(日)に淡路島の洲本市で開催予定だった『続・彫物ひねもす博覧会』も、5月末に延期となりました。

そしてさらに、来月18日(土)に予定されておりました『宝塚だんじりパレード』も、やむなく延期が発表されました。

改めての開催日などは調整中とのこと。
爆発的な感染拡大を抑えるべく、政府は各種イベントの中止、延期、無観客開催などを要請、さらには小中学校などの臨時休校の対策を講じており、それらの一応の期限として今月の中頃を目安(臨時休校は春休みまで)としていますが、それで感染拡大が収束して落ち着く訳ではないので、その後の判断はまだ流動的であり、政府としてそれらの措置・対策の延長を要請するか、それとも現場の自己判断となるのか、今のところ先行きの見通しは読めない状態であります。
各地でだんじりの入魂式やお披露目、さらにイベントを予定していた各団体や地車保存会などは、開催か中止か延期か、その判断には大変苦慮するところだと思われます。

世間では感染拡大の情勢を踏まえ、一旦中止や延期にした興行やイベントを、どの状況を迎えれば再開できるのか、その基準がハッキリしません。
無観客で行われるプロ野球、サッカー、そして競馬や大相撲など、ワタクシとてこれまで一度も目にする事なく過ごして来たので、今現実に起こっている事が如何に非常事態であるか、まのあたりにしている状況です。
当たり前だった風景が、実は当たり前ではないんだという事を、思い知らされています。
では、これらの興行やイベントが、どうなれば観客を迎え入れて開催出来る様になるのでしょうか?
『状況を踏まえながら』・・・とは申せど、どの様な状況になれば普通に行えるのでしょうか?
それが見えて来ない限り、一度中止や延期にしたイベントを、簡単には再開出来ないと思うのです。
だんじり関連の行事は、例年こうして春を迎える頃からぼちぼち始まって行きます。
ワタクシとてこのブログの中で、『だんじりシーズン開幕!』などと、当たり前の顔して書き連ねておりました。

しかし今年は、それを書けない状況となっています。
さてこの世間を席巻しております『新型コロナウイルス』ですが、空気感染はしないものの、接触感染による感染力が非常に高く、風通しの少ない密室性の高い場所で、人と人とが密集して声を出す場合に集団感染を引き起こしている事が判明して来ました。
つまり、密集性は高いが扉の開閉が頻繁で、会話の少ない満員電車では感染例がなく、対して密集性が高い上に風通しがなく、集団で声を出すライヴハウスで集団感染が発生しているというのが、ひとつの傾向としてあります。
という事は、場所こそ屋外ではあるものの、集団で密集してマスクもせず声を出し合う『だんじり曳行』は、極めて感染しやすい場所である・・・という事が言えます。

綱を曳くにせよ、舵を取るにせよ、鳴り物を打つにせよ・・・
入魂式などの神事が伴う行事ごとの場合、神事だけは執り行えても、お披露目曳行は中止か延期という措置になっても、それは致し方のない事でありましょう。
再開の目処は、本当に立てられません。
今はただ、1日も早い収束を願うばかりなのですが、現実的にその収束時期がいつ頃になるか・・・という見通しについてですが・・・
多くの専門家の意見などをネットで見るにつけ、今月後半とか、今月末とか、そんな楽観的な見通しを立てている専門家は見当たりませんでした。
その多くは5月とか6月とか夏前とか、収束には長期的な見解を示す意見がほとんどでした。
まぁ、熱に弱いウイルスだという意見も多くあり、気温が25度を越えれば死滅するのではないかという見解もあるにはありますが、潜伏期間が長く、知らぬ間に感染を広げているという厄介な要素も手伝って、その収束には長い期間を要するだろうという見方が、圧倒的に多い様です。
これから先、ゴールデンウィークには『布施だんじりパレード』を皮切りに、神戸市内では祭礼本番を迎えます。

そしてゴールデンウィークが明けてからの5月には各地で数多くの『だんじり行事』が控えています。
さすがにそんな時期にはある程度の落ち着きを取り戻せているのではないか?・・・という見解は、いささか楽観的すぎるのでしょうか?

本当に我々が当たり前の様に過ごして来た、この
『1年365日がだんじりじゃーい』
という日々も、平和で平穏であるからこそ得られる、実は『有り難き幸せ』なのだという事を、心身に染みて思い知らされます。
世間全般が、
『今は耐えて我慢』
と言われる昨今ですが、今できる事は、本当に今後の成り行きを注視し、開催に踏み切れるタイミングを精査する事。
そして何より、自分が感染しない、人に感染させない・・・それに尽きるのであります。
現時点でお知らせできる『だんじり情報』はほとんどありません。
今一度、だんじりに参加できる幸せ、だんじりを出せる幸せ、だんじりを見に行ける幸せを噛みしめながら、この地球規模の難局を、みんなで乗り越える事に専念する事が大切でありましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大が、一日も早く治まりますよう、何も心配する事なくイベントが行える日が来ますよう、願いながら、今回の特別寄稿を終えたいと思います。
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