上を向いてだんじりのこと考えよう

3月14日(土)に安倍総理大臣が記者会見で、
『今は緊急事態宣言を出す状態ではない』
と語りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大は収まるところを知らず、いまだ新たな感染者の発表が後を絶ちません。
しかしながら、ワクチンも特効薬もないまま、対処療法しかない現場でも回復した人、軽症で済んだ人も多いとされ、予報対策は万全にしつつ、外へ出て体を動かしましょうとも言われました。
大阪市の松井市長は、『上手く付き合っていくしかない』として、4月からの学校再開を発表しました。
モチロン、こうした発表には賛否両論は必ずありますが、実はワタクシ信濃屋も、どちらかと言えば自粛や中止の流れに否定的な考えなので、
『いつまでも止めてられへんやろ?』
という思考には概ね好意的です。
高野連が選抜高校野球を無観客で開催と発表した時には
『なぜ中止にしない?』
という抗議が多数寄せられ、断腸の思いで中止を発表すれば
『なぜ中止なんだ?』
という抗議が寄せられたと聞きます。
それが世間というものなのです。
ワタクシ思うに、およそ世間一般というものは、報道が垂れ流すニュースに右往左往し、正確な情報精査などされないまま行動しているのです。
つまり『インフォデミック』に踊らされているに過ぎないのです。
ハッキリ申し上げて、取るに足りません。
各自治体も、こうした世間の風潮や外部の意見にはあまり捉われる事なく、これからの活動や催事に関しては、中止も延期も再開も、正確な情報を精査して判断し、決断したのならそれを実行すれば良いのではないのかと思う次第です。
何事に於いてもそうですが、過剰な反応ほど、愚かなものはありません。
さて、こんな話題ばっかりでは気が滅入るので、ぼちぼちだんじりの話題に戻って行きたいと思います。
去年の書き残しネタで、サラッと書けそうなもの・・・
こちらなんかどうでしょう?

2019年9月23日(月祝)に行われた、高石市は南(三区)の入魂式の模様です。
この日の事はけっこう覚えてるんですが、朝から台風が来ておりましてね。
皆さんもよく覚えておられましょう昨年の『泉州十月祭礼』は台風による大雨、さらに暴風警報によりまして、10月12日(土)の祭礼初日が、軒並み中止になってしまいました。
しかし、ここ数年は本当に台風の影響をよく受けておりまして、この9月23日(月祝)も、台風の進路次第ではどうなるか・・・という天気傾向だったのです。

そんな心配もある中、だんじりは午前6時半頃に町内を出発しまして、6時40分頃には高石神社に宮入り。

入魂式を行いました。

当サイトの各町紹介ページにも書かれていますが、このだんじりは昭和7年に泉佐野市は日根野の久ノ木が新調したもので、現在はすべてのだんじりが廃絶してしまっている『日根神社』の氏地のだんじりやったんですな。
日根神社の祭礼にはかつて8台のだんじりが曳行されていましたが、明治から昭和までの期間に次々とだんじりが廃絶されてゆく中、久ノ木は最後まで曳行を続けていた村で、昭和51年に岸和田市磯之上町に売却。
それをもって日根神社氏地ではすべての村でだんじりが廃絶してしまいました。

このだんじりは磯之上町で約15年間活躍したのち、磯之上町での現だんじり新調に伴い、平成3年にここ高石の南(三区)が購入しました。
ワタクシなどは、磯之上町で曳かれていた頃にこのだんじりと対面しております。

大工は《絹屋》絹井楠次郎、彫師は田沼源治・玉井行陽。
今回の修復では、大屋根・小屋根とその枡組を新調交換し、それにより姿見が変わりました。

以前、このだんじりの一大特徴というか個性でもあった、割とゴツゴツとした言わば『四角い』印象の姿見から、割とシュッとした姿見に生まれ変わりましたね。

入魂式を終えただんじりは紀州街道を南へ。

その後浜側の道をぐるりと廻ってから、駅前の周回コースへとやって来ました。

心配された台風の影響はほとんどなく、逆に気温が上がり暑いぐらいの気候の中、遣り廻しを伴うお披露目曳行へと移ります。
早朝から詰めかけた多くの見物客を前に、名物『ライフ前』での遣り廻しを披露。

高石の周回コースは南海本線を挟んで海側と山側があり、現在、パレードコースと呼ばれているのは山側の通称『たか』の交差点を中心とするコースですが、ちょうどこのだんじりが磯之上町からやって来て活躍し始めた頃、高石のメインのコースはこちら、浜側のコースでした。
平成の高石におけるだんじり祭の礎を築いたと言える浜側の周回コースを、この日は都合4周廻りまして、お披露目曳行は無事終了しました。

去年のだんじり行事の写真をあれこれ漁りながら、今現在こんなご時世ですから、なんかだんじりの事を考えないとなー・・・て思いつつ、昨年9月に行われた入魂式の話題に触れました。

いまだニュースでは新型コロナウイルスに関するものばかりで、3月〜4月に予定されていただんじり行事も次々と中止や延期の情報が飛び交う只中ではありますが、一日も早く安心してだんじりを楽しめる日が来る事を願いながら、今回はこの辺にしておきましょう。
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